研究や開発におすすめの分散受託加工メーカー3選

公開日:2026/02/13
研究3選

プラスチック製品やインク、塗料などの高付加価値化が進む中で、材料性能を左右する重要な工程として注目されているのが「分散加工」です。とくに機能材料や顔料インクにおいては、分散の良否が発色、安定性、加工性に直結します。本記事では、分散の必要性からおすすめの分散受託加工メーカーまでくわしくご紹介します。

分散はなぜ必要?機能材料の分散加工とは

プラスチック製品の実用価値を高めるためには、樹脂そのものだけではなく、着色剤や各種配合剤の適切な活用が欠かせません。実際の製品では、着色剤に加え、耐候性向上剤、滑剤、帯電防止剤、導電材、紫外線吸収剤など、多様な配合剤が用いられています。これらは単なる添加物ではなく、製品に新たな機能を付与する「機能材料」と位置付けることができます。

分散の必要性について

近年、プラスチック材料の多様化・高機能化が進むにつれ、成形加工技術も高度化しています。それに伴い、配合剤に求められる品質や性能も一層厳しくなり、粒子径の制御や均一性、分散安定性といった要素が重要視されるようになりました

機能材料の性能を最大限に引き出すためには、加工顔料と同様に、材料を均一な状態で分散させることが不可欠です。分散が不十分な場合、材料は凝集や沈降を起こしやすくなり、成形時の加工性低下や物性ばらつき、外観不良の原因となります。そのため、成形時の加工特性や作業性、最終製品での機能発現までを考慮した「機能材料の分散加工品」が求められています。

顔料インクの分野でも重視されている

この分散の重要性がとくに顕著に表れるのが、顔料インクの分野です。インクには大きく分けて「染料インク」と「顔料インク」があり、染料インクは水や有機溶剤に溶解して分子レベルで発色するのに対し、顔料インクは微細な固体粒子を液体中に分散させることで色を表現します。顔料はそのままでは沈降しやすく、均一に広がらないため、分散処理が不可欠となります。

顔料には無機顔料と有機顔料があります。無機顔料は鉱物由来であり、発色を得るためには粉砕による微細化が必要です。ただし、単に細かくすれば良いわけではありません。たとえば白色顔料として用いられる酸化チタンは、粒径が300nmを超えると透明性が増し、意図した白色が得られなくなります。

このように、無機顔料では目的に応じた粒子径制御が重要です。一方、有機顔料は分子構造によって色を発現するため、粒子構造を破壊しない「やさしい分散」が求められます。分散工程では、顔料粒子を溶媒や樹脂で「ぬらす」、凝集体を一次粒子までほぐす「解砕」、再凝集を防ぐ「安定化」という三つのステップがあり、この中でも解砕工程が分散品質を左右する重要な役割を担います。

微粒子分散を行う方法・装置・メリットを解説

微粒子分散とは、非常に細かい固体や液体の粒子を、液体中に均一に分散させた状態を指します。食品、医薬品、化粧品、塗料、顔料インクなど、多くの分野で微粒子分散技術が活用されており、製品の品質向上や安定化に大きく貢献しています。

分散に使われる装置・方法

分散のもっとも基本的な方法は攪拌ですが、単純な攪拌だけでは粒子を均一に分散させることは困難です。そこで用いられるのが、ビーズミルや高圧ホモジナイザー、三本ロールミルといった専用装置です。中でも顔料インクの分散工程で主流となっているのが湿式ビーズミルです。

ビーズミルは、ベッセル内に充填された微小ビーズとスラリー状の材料を高速で攪拌し、せん断力と衝撃力によって凝集した粒子を解砕・微細化する装置です。低粘度のインクジェット用インクにはビーズミルが、高粘度のスクリーン印刷用インクなどには三本ロールミルが使われるなど、材料特性に応じて装置が使い分けられています。

ビーズミルが顔料分散で選ばれる理由は、微粒子化速度が速く、ナノレベルまで粒子径を制御できる点にあります。また、研究開発用の小型機から量産機までラインナップが豊富で、スケールアップしやすいことも大きな利点です。小径ビーズを用いることで、粒子構造を保ちながら均一な分散を実現でき、過分散を防ぐことも可能です。

微粒子分散を行うメリット

微粒子分散のメリットは多岐にわたります。まず、粒子径が揃うことで光の反射特性が均一になり、発色が鮮やかになります。少量でも高い着色力が得られるため、コスト低減にもつながります。また、粒子が沈降しにくくなることで、保存安定性や印刷時の安定性が向上し、ノズル詰まりやインク飛びといったトラブルの抑制にも寄与します。

さらに、バインダーや樹脂、機能性添加剤を一次粒子レベルまで均一に分散・被覆することで、耐候性、耐久性、導電性、磁性といった付加機能を安定して発現させることが可能になります。導電性顔料や磁性顔料、遮熱・紫外線カット材料、触媒材料など、機能性顔料の分野でも微粒子分散技術は不可欠な存在となっています。

タツタ電線株式会社(マゼラボ)

タツタ電線株式会社(マゼラボ)
引用元:https://www.tatsuta.co.jp/lp/amaze-lab/
会社名タツタ電線株式会社
住所大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号
電話番号06-6721-3331
タツタ電線株式会社の「マゼラボ」は、分散・混練技術を核に、機能性材料開発の課題解決を支援する分散ソリューション提供サービスです。分散性・親和性評価から材料選定、試作、量産までを「コンサルテーション~開発~製造」で一気通貫対応し、開発期間短縮と製品特性向上に貢献します。

材料開発のための3つのサービスを提供

マゼラボでは、分散・混練に科学的アプローチを取り入れた3つのサービスを展開しています。第一に、関西大学・山本秀樹教授監修による溶解度パラメータ(HSP)測定の受託測定です。物質同士の親和性を数値化し、分散性評価や材料最適化に活用できます。

第二に、測定結果を材料選定・開発ツールとして活かす活用支援があります。定期的な打ち合わせを通じ、専門的な技術指導が受けられます。第三に、講義・実習を通じて測定手法を習得できる測定技術指導です。加えて、材料選定やレシピ設計、樹脂配合、微粒子分散などの受託開発にも対応し、化学、化粧品、食品、医薬品分野での実績を有しています

量産設備を使用した少・中量生産にも対応

ラボ検討後のスケールアップや設備投資を抑えた量産ニーズにも、マゼラボは柔軟に対応します。三本ロールやプラネタリーミキサー、高圧分散機など多様な設備を活用し、100gの少量試作から数百kg規模の少・中量生産までカバーしています。難分散材や高粘度ペースト、セラミック粉体の混練にも強みをもち、受託製造・スケールアップ検討を通じて、実用化を確実に支援します。

長瀬産業株式会社

長瀬産業株式会社
引用元:https://www.nagase.co.jp/
会社名長瀬産業株式会社
住所東京都千代田区大手町二丁目6番4号常盤橋タワー
電話番号 03-3665-3021
高機能材料の性能を最大限に引き出すためには、分散加工が不可欠な基盤技術です。ここでは、長瀬産業株式会社の分散加工サービスについて解説します。

「分散加工トータルコーディネート」が強み

長瀬産業株式会社は、分散加工メーカーの選定から原材料の提案、自社ラボによる処方開発・分析までを一貫して担う「分散加工トータルコーディネート」を強みとし、さまざまな業界の技術課題解決を支援しています。化学品、塗料、インキ、合成樹脂、印刷・包装材、自動車・輸送機器、エレクトロニクスなど幅広い分野に対応し、用途や要求特性に応じた最適な分散加工体制を構築できる点が特長です

代表的な取り組みとして、窒化ホウ素分散体の開発事例が挙げられます。窒化ホウ素は潤滑用途に加え、放熱フィラーとしての需要が急速に高まっていますが、ナノサイズ粉体では凝集や飛散によるハンドリング性の課題がありました。長瀬産業は市場調査を通じて溶剤分散体へのニーズを的確に把握し、要望スペックに適合する分散加工メーカーを選定しました。

商社だからこそできるサービス

さらに、MEK溶剤による分散体試作を迅速に実施し、数十kgからトン単位まで対応可能な受託加工体制を整え、顧客の多様な要求に柔軟に応えています。同社の強みは、商社ならではの中立的な立場と広範なネットワークに加え、自社ラボ「NAW」を活用した実践的な技術支援にあります。処方設計や評価、マスターバッチ作成まで踏み込んだ対応が可能であり、専門家による技術的助言も得られる体制が、高度な課題解決力を支えています。

東北化工株式会社

東北化工株式会社
引用元:https://www.tci-web.co.jp/
会社名東北化工株式会社
住所栃木県那須烏山市藤田1200
電話番号0287-88-2761
東北化工株式会社は、植物由来素材と粉体技術を核に、自動車の安全を支える摩擦材から電波環境を整える先端材料までを手がけ、社会の「安全と安心」に貢献してきた企業です。経営理念には誠実なものづくりを掲げ、地球とともに生きる社会への貢献を重視しています。

ブレーキ用カシューパーティクルの開発・製造から始まった

同社は1961年の創立以来、カシューナッツ由来オイルを原料とする樹脂パーティクルを開発・製造し、実績を積み重ねてきました。これらはブレーキライニングやブレーキパッドに使用されるもので、長年輸送機器の安全性向上に寄与した経験があります。また、このとき培った有機化学、材料技術、粉体技術を融合した独自技術により、耐熱性や耐摩耗性に優れた製品群を確立しています。

同様に、電波吸収体などの機能材料でも実績を重ねている点も特徴です。さらに、地球とともに生きる社会への貢献を重視しているため、環境にやさしい取り組みを実施。親会社マークテック株式会社との連携により、品質保証技術を核としたMBSを構築し、SDGsに配慮した循環型の事業展開を進めています。

湿式分散・湿式粉砕の受託加工に対応

湿式分散・湿式粉砕の受託加工にも対応し、研究開発用途から小ロット生産、増産対応まで柔軟に支援しています。打ち合わせ、試作評価、契約を経て生産へ進む明確なフローにより、安心して相談できる体制が整っています。東北化工株式会社は、安全と環境を両立する技術力で、信頼される材料パートナーとしての評価を高めているのです。

まとめ

分散加工は、機能材料や顔料の性能を最大限に引き出すために欠かせない基盤技術です。とくに微粒子分散は、発色や安定性、加工性、保存性といった製品品質を大きく左右します。材料特性に応じた分散方法や装置を選定し、粒子径や分散状態を適切に制御することで、高付加価値な製品開発が可能になります。今後も分散技術は、多様な産業分野で重要性を増していくでしょう。また、今回ご紹介した分散受託加工メーカーはすべて分散技術においてさまざまな実績をもち、多くの生産現場に貢献しています。これから分散受託をお考えの方はぜひ参考になさってください。

PR他社と違うのは“技術伴走型サービス”。試作・評価・提案までワンストップの分散受託加工とは

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イメージ引用元:https://www.tatsuta.co.jp/lp/amaze-lab/引用元:https://www.orizuru.co.jp/引用元:https://www.taisei-fc.co.jp/tech_srv/service/processing.html
会社名タツタ電線株式会社(マゼラボ)株式会社トクシキ大成ファインケミカル株式会社
特徴電子材料メーカーの知見で分散課題を短期間で可視化・最適化独自の分散・配合・合成技術で高機能材料を創出する微分散とコーティング設計を軸に試作から量産まで支える技術力
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